理想と目的

王は暴力によっても殺すことができない他種の個体の存在を知り、自らの破壊的暴力を一方的な支配・抑圧のためではなく、弱者の保護と不条理な世界 の変革

(弱者を虐げる権力・武力の保持者の抹殺)のために利用する理想主義の思想をネテロに語る。だが、ネテロはどんなにその君主論めいた理想と目的が正 しいものであっても、人間が異種であるキメラアントの王の統治を受け容れることはないと諦観しており、不倫調査 岡山飽くまで『王の完全な抹殺』にこだわる。
『残酷無比で機械的・暴力的なキメラアント』と『共感感情を持ち理性的・倫理的な人類』という二元論的な対立図式の反転、鯨・イルカの保護運動を 思わせるような『弱くて知的・魅力的な個体に対する殺害禁忌の感情の萌芽』などアニメ作品でありながら、『生命倫理・自然の摂理と優生思想・異種間の共感 可能性・君主論(王の自意識・使命感)』と関連する普遍性の高いテーマを扱っていてなかなか面白かった。